学生時代のサークルの皆さんに 【長いです】
1月に下咽頭癌が見つかる
下咽頭とは喉の一番奥、気管支と食道の分かれ目あたり、声門の隣部分
発生率は全ての癌の約0.5%で症例数は多くなく、
従って治療出来る医療機関は限られている
リスクファクターは過度の飲酒と喫煙
自分の場合「過度」と言われる程酒を飲めないし
タバコは止めて20年以上経ってる
何で!?と言う思いが強かった
ただ、コロナ期間は公私共に強いストレスはあったし
ジムトレしていたから
「アスパルテーム」含有のプロテインとクエン酸の摂取は多くなっていた
昨年秋口に、喉の奥に魚の小骨が刺さっているような感覚が続き
なんだろうって思いながらも7月に人間ドックに入ったばかりだし
空気が乾いてきたせい位に考えて喉飴や喉スプレーでごまかしていたけど
それ程酷い症状は現れないまま放置していた
昨年12/25に、初めて喉(喉仏の左上あたり)にグリグリがあることに気付いた
痛みはないけど硬く親指位の大きさで、コロコロと動く事はなかった
医学的なドシロウトではないので、色々調べると
かなり厳しい判断をせざるを得ない事が分かってくる
今年1/6(金)に耳鼻咽喉科を受診したが、何故か診断はされず
紹介状を持たされて埼玉医大国際医療センターを1/18(水)に受診
即、下咽頭癌の診断が出て
その後なんだかんだ10項目近い検査をして再度受診
確定した診断はステージ4の進行癌
首周りのリンパに明らかな転移が2か所と
癌が疑われるものが20か所位
食道にも小さな転移癌が見つかった
治療が上手くいって生命は維持出来きたとしても
その後は普通の生活をする事は困難になる
そうとしか思えない病気
手術しかないという医師の判断で
入院までの日程が決まっていたけど
検査の結果
「リンパの癌が頸動脈と頚静脈に絡みついて手術しても切除しきれない
結果として【手術しても手術しなくても】同じかもしれないが、手術しますか?」
と言われた
この場合の手術とは、鼻の奥の咽頭部から食道(声帯を含む)までを切除
咽頭と食道の代わりに自分の腸を切り取って繋ぎ
(嚥下が困難になるのでしばらくの間は固形物は食べられない)
気管支は口や鼻を介さず直接喉仏の下辺りに穴を開けて呼吸させる
と言うもの
首周りのリンパ癌は
顎の骨や首周りから肩の筋肉を含めてゴッソリと切除する(頸部郭清術)
そのため、腕の動きに制限が出るし人相まで変わるら場合もあるらしい
とんでもない大手術だし、リスクも高い
およそ手術が成功しても、普通の生活をするにはかなり物理的に厳しい
障害者申請の話とかも聞かされた
「それでも5年後生存率は1/4」と言われ手術を受ける事をためらうが
家族の懇願もあり「シヌよりはましか!?」と考えて
一時は手術する覚悟をした
でも「手術しなくても同じ結果」ってつまり死んじゃう確率が同じってこと
じゃあ「最後の時まで家族と会話出来たほうが良いよね!」と考えて
手術を断った
頭頸部腫瘍科外科から内科に移され
治療方針は化学放射線療法に変更となる
化学放射線療法とは
土日を除き毎日通院して35回の放射線を浴びながら
途中3回1週間程度の入院を繰り返して抗癌剤を投与するというもの
主治医が言ったことは
「それでも治療効果に大きな期待は難しく、化学放射線療法で癌を消せなかったら、
やっぱり手術をして、それでも切除しきれない可能性があり、
その場合は、あと2年か、3年か、となる」
こんな言い方で、頑張ってもまあ最悪あと2~3年の命かと覚悟した
化学放射線療法は体力勝負で、体力が追いつかなくなると中止
また副作用が強く、特に腎機能が低下したら中止と言われる
中止=死の急接近と言う事
使用した抗癌剤は40年前に発売された自分も良く知っている古典的な薬
まさかまだこの薬しかないとは
かつて製薬企業にいた人間からすれば驚きだった
治療の基本は放射線で喉を焼くわけで
喉の中はもちろん首周りの皮膚も火傷して皮がベロベロに剥けるし
唾液は出なくなり、味覚も失う
さらに抗癌剤の副作用で、倦怠感や吐き気は強く
食事がほとんど出来なくなるので
胃瘻といって胃袋に穴を開けて
カロリーメイトみたいなドロドロの栄養食を直接胃に流し込む
と言う方針を告げられた
実際に治療が始まるとやっぱりかなりキツイ
でも体力落とすと治療が中止になるので、麻薬をもらって痛みを和らげ
吐きながらでも食えるものを片っ端から食べ
(病院食は全く受け付けなかったので、毎食コンビニのうどんや持参した生卵と納豆、餅を食べた)
動ける時は病棟内を歩き回り、時にはスクワットを繰り返し
「少なくとも10kgは減る」と言われた体重もマイナス4~5kgで収まった
胃瘻の手術は予定されて一旦はその為の入院をしたけど
手術前後5日位は普通食が出来なくなると言う説明だったので
そんな体力を落とすような手術を受けたくないと言って
半ば喧嘩状態で胃瘻手術を断り強引に退院した
結果的に最後まで自力で食事を続け、1日1800kcal程度を食べ続けた
1回めの抗癌剤治療が終えて退院した直後
首周りが腫れ上がり熱も出て起き上がれない程倦怠感が強く
やっぱりだめかな?と半ば覚悟を決めていたけど
そこからは一気に腫れがひき、喉の引っ掛かりが治まり
結果を考えたらそれは癌が抗癌剤に負けて最後の抵抗をしていた状態だったらしい
1週間入院して抗癌剤治療
退院して自宅から放射線治療に通いながら自宅では安静にして2週間
これを3回繰り返して約2か月間の治療は終了
自宅静養になる 退院1か月後に診察
「癌は消えています。今後は追加の手術も内服薬等の治療も必要ありません。
検査は当面3ヶ月ごとに」
癌に勝ったらしい
ただ、まだ第1ラウンドだけどね
下咽頭癌のステージ4の再発率は高く4〜50%
再発した場合は手術しか方法はないけど
極めて厳しい状態になる
だから5年後生存率1/4の不安は消えてはいない
現状極めて元気だけど、副作用は残っていて
味覚異常(以前の80%位が限度らしい)
唾液の分泌不足で口渇(これは回復しないそうだ)
そして酒がめちゃくちゃ弱くなってビールならグラス1/3位まで
さらに味覚が変わってしまった影響で
酒を美味いとも思えなくなって
特に日本酒、ワインは全くだめ、ビールもだめ
焼酎の水割りやジンのソーダ割りなら少しだけ
と言うレベル
甘いものが全て美味しくなく
酸味、辛味の強くものは好きじゃなくなった
あとは耳鳴りが酷く、時には耳の痛みが強くなり
聴力には問題ないのに音が聞き辛く、軽い貧血は続いている
体力面ではほぼ回復して15km程度のジョギング位は可能になったので
とりあえず11月にハーフマラソン、来年3月にはフルマラソンを走る予定
まあでも、美人は薄命だが憎まれっ子世に憚ると言うから
自分はテベックの誰より結果的に長生きすると思うよ
以上